水性生物調査保護を実施しました。(上流工区)
本工事の水替え作業時に、締切内に多数の水生生物が取り残されているのが確認されたため、
保護活動を実施しました。それに伴い、生物調査も実施しました。
(調査状況・調査結果 下記参照)
1.はじめに
当該工事の水替え作業時に、締切内に多数の水生生物が取り残されているのが確認されたため、保護活動を実施した。また、現場周辺の生態系を把握することを目的とした生物調査も合わせて実施した。
なお外来種の分類においては「外来生物法」及び環境省及び農林水産省による「我が国の生態系等に及ぼすおそれのある外来種リスト(生物系被害防止外来種リスト)」によるものとする。※添付資料①②参考
2.調査保護実施概要
・実施日:令和3年11月18日(木)
・調査員:株式会社川瀬組:安藤、伊藤、辻
1次下請 (株)加藤建設:鷲見、加藤(勇)、三浦、南場、加藤(勇也)、久坂、鈴木、伴、朝日
・鑑定員:伴
・調査場所:岐阜県羽島市福寿町本郷地内
・実施範囲:下記参照
3.実施方法
実施範囲において、たも網、さで網を用いて、生物の捕獲を実施した。また、水中ポンプ手前に四つ手網を設置することで、生物への吸い込み防止対策を行った。
捕獲した生物は現地にて同定を行い、写真を撮影し記録した。捕獲した生物は、大型土のうによる締切外の安全な場所へ放流を行った。
4.結果
調査保護の結果、現地において以下の水生生物を確認した。
・ 魚類20種(在来種14種、外来種6種)
・ 甲殻類3種(在来種3種)
・ 爬虫類1種(外来種1種)
・ 貝類3種(在来種2種、外来種1種)
・ 昆虫類3種(在来種3種)
種名 | 科名 | 在来種 | 外来種 | 特記事項 | |
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1 | ギンブナ | コイ科 | 〇 | ||
2 | モツゴ | コイ科 | 〇 | ||
3 | タモロコ | コイ科 | 〇 | ||
4 | コウライモロコ | コイ科 | 〇 | ||
5 | オイカワ | コイ科 | 〇 | ||
6 | ウグイ | コイ科 | 〇 | ||
7 | ゼゼラ | コイ科 | 〇 | 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
(環境省レッドリスト) |
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8 | カマツカ | コイ科 | 〇 | ||
9 | コイ | コイ科 | 〇 | ||
10 | ハス | コイ科 | 〇 | 国内外来種(自然分布:琵琶湖、淀川水系、三方五湖) | |
11 | タイリクバラタナゴ | コイ科 | 〇 | 重点対策外来種 | |
12 | ニシシマドジョウ | ドジョウ科 | 〇 | ||
13 | ナマズ | ナマズ科 | 〇 | ||
14 | ヨシノポリ類 | ハゼ科 | 〇 | ||
15 | ゴクラクハゼ | ハゼ科 | 〇 | ||
16 | ウキゴリ | ハゼ科 | 〇 | ||
17 | ミナミメダカ | メダカ科 | 〇 | 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
(環境省レッドリスト) |
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18 | カダヤシ | カダヤシ化 | 〇 | 特定外来生物
重点対策外来種 |
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19 | オオクチバス | サンフィッシュ科 | 〇 | 特定外来生物
重点対策外来種 |
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20 | ブルーギル | サンフィッシュ科 | 〇 | 特定外来生物
緊急対策外来種 |
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21 | ヌマエビ | ヌマエビ科 | 〇 | ||
22 | テナガエビ | エナガエビ科 | 〇 | ||
23 | モクズガニ | イワガニ科 | 〇 | ||
24 | ミシシッピアカミミガメ | ヌマガメ科 | 〇 | 緊急対策外来種 | |
25 | シジミ類 | シジミ科 | 〇 | ||
26 | ヌマガイ | ヌマガイ科 | 〇 | ||
27 | スクミリンゴガイ | リンゴガイ科 | 〇 | 重点対策外来種 | |
28 | ギンヤンマ | ヤンマ科 | 〇 | ||
29 | シオカラトンボ | トンボ科 | 〇 | ||
30 | ハグロトンボ | カワトンボ科 | 〇 |
5.まとめ
調査の結果、環境省レッドリストにて、絶滅危惧II類(VU)に指定される “ ゼゼラ” 、 “ ミナミメダガ’が確認された。
※添付資料③④外来種については、特定外来生物のカダヤシ、オオクチバス、ブルー ギル、緊急対策外来種のミシシッピアカミミガメ、重点対策外来種のタイリクバラタナゴ、スクミリンゴガイ、国内外来種のハス、その他ユ ー ラシア大陸原産のコイが確認された。
外来種への対応として、カダヤシ、オオクチバス、ブルー ギル、タイリクバラタナゴ、ハス、コイ等の外来魚は現場内に埋設処理を実施、ミシシッピアカミミガメは持ち帰り、—20℃以下で48時間以上保管し、冷凍処理を実施した。