工事完了
7月中旬から開始した法面工事のうち覆い式ロックネットと工法変更した法枠工の施工が終わり、10月末で
工事が全ての工事が完了しました。覆い式ロックネットはネット材料をウインチで小運搬して高所作業車を
使用して手張りするため通常よりも時間が掛かると思われましたが、工程通り作業を進めることができました。
また、法枠工は横梁上部に水切りを設けて雪が溜まらないように勾配を付けました。今年度の工事は土工事と
法面工事を並行して如何に安全に作業を進めるかが課題でしたが、無事に完了することができて良かったと思います。
覆い式ロックネット材料荷揚げ↓ ネット張り↓
法枠工鉄筋組立↓ 法枠工吹付↓
法面工完了↓ 工事完了全景↓
掘削土搬出完了
8月の夏期休暇明けから開始した津之浦砂防堰堤右岸上流へ掘削土(約16000m3)を搬出する作業が
完了しました。あとは一部残っている大型土のう撤去と整地片付け作業に入ります。法面工事は
覆い式ロックネット及び工法変更した法枠工の施工中ですが10月末には完了する予定です。
仮置き場搬出前の状況↓ 仮置き場搬出後の状況↓
現在の現場状況(全景)↓ 現在の現場状況(法面工事)↓
根固め工 吹付完了
吹付範囲の中で土砂化した軟弱な岩が抜け落ちた箇所は根固めとして繊維補強モルタルで段状に
吹付作業を行いました。幾層も段状に吹付を行うためには型枠を組立てる必要があり、予めアンカー
を打って組立用の鉄筋を通し、そこに補修網を結束しました。根固め工は約10日間かかりましたが、
次はロックネット工の作業に入ります。
型枠組立状況↓ 繊維補強モルタル吹付状況↓
開始1日目↓ 根固め工 完了↓
掘削・盛土撤去完了
5月下旬から開始した掘削作業と同時に重機足場となる盛土を撤去を進めてきましたが、上部標高(635m)から
610mまでは硬岩で蒸気圧破砕薬と大型ブレーカーを併用して破砕し、610~603mまでは軟岩で大型ブレーカー
のみで破砕し、それより下は主に土砂掘削となり、今回の掘削範囲(高低差約40m)である593mまで完了しました。
また、出来形管理はICT技術を活用し地上型レーザースキャナーで点群を取得し、平場の面管理を行いました。
あとは、盛土前面に坂路として小運搬した土砂(残り約9000m3)を搬出します。
完了全景↓ 出来形測定(レーザースキャナー)↓
出来形点群↓ 出来形測定表↓
ロープ掛け工 施工完了
落石対策として大きな浮石を押さえるためにロープ掛け工の施工を行いました。対象となる浮石は
3箇所あり、アンカー(φ38㎜、φ22㎜)を36箇所設置してワイヤーロープ(φ18、φ12)を張り
固定しました。次にモルタル吹付が進めば覆い式ロックネット、ロックボルトの施工に移ります。
削孔状況↓ 孔内清掃状況↓
セメントカプセル挿入状況↓ アンカー挿入状況↓
アンカー設置完了 ロープ張り状況↓
ロープ掛け工完了全景↓
法面吹付(高所作業車)
7月末から法面の落石対策としてモルタル吹付を開始し、上部から仕上げてきましたが、
最も岩盤の節理が多く入った危険な箇所については、落石と接触するリスクを減らすために
高所作業車を使用して吹付作業を行なっていきます。
吹付前の岩盤状況↓ 高所作業車(クローラ式 最大高さ21m)↓
吹付状況↓
土砂掘削①
7月末に岩盤掘削が完了し、下部へ土砂掘削作業を進めてきましたが、近い土砂搬出場所(約300m)である
土砂運搬作業が完了しました。法面整形はICT建機により設計面をモニターで確認しながら仕上げて行きます。
次に夏期休暇明けからは遠くの土砂搬出場所(約2㎞)へ運搬します
法面整形状況(マシンガイダンスバックホウ)↓ 土砂搬出完了(近くの搬出場所)↓
積載重量確認(簡易スケール)↓ 現場状況↓
法面吹付開始
7月末から法面の落石対策として繊維補強モルタル吹付を開始しました。通常のモルタル吹付よりも耐久性が向上する
とともに、吹付前の金網設置が不用であるため、上部から仕上げて作業時に落石が飛来するリスクが低減されます。
法面工事は約3,000m2ありますが、地質等の現場条件が異なることから、吹付の他に法面防護網(ロックネット工)、
ロックボルト工等、対策工を行ないます。
法面工施工範囲↓ 吹付状況↓
吹付プラント(IPカメラ画像)↓ 7日目の現場状況↓
岩盤掘削完了
5月末から開始した岩盤掘削が完了しました。上部は硬岩で約1,300m3蒸気圧破砕薬ガンサイザーと
大型ブレーカーを併用して破砕掘削し、下部は軟岩で約600m3あり、大型ブレーカーのみで破砕しました。
重機足場である盛土と大型土のうを撤去するとともに落石防護のポケットを維持しながら掘削を行いました。
今週から落石対策として法面吹付・落石防護ネット等の作業を行います。
6月中旬の状況↓ 7月末完了時↓
落石防止工(POWER MONSTER)完了
堰堤掘削影響範囲の落石を防止するために大型土のう擁壁(POWER MONSTER)を設置しました。
NETIS登録技術であるPOWER MONSTERは最大20年対応品の土のう袋を使用します。これを
安全性の高い土のう製作治具「瞬作」で98袋土のう製作を行い、不整地運搬車で運搬して設置しました。
POWER MONSTERは土のう相互をロープで固定し、袋状にネットで覆うことで落石に対応する防護
性能が高く、実証実験も行っている工法です。メーカーの技術指導のもと作業を完了行い、完了しました。
製作状況↓ 運搬状況↓
設置状況↓ ロープ固定状況↓
ネット結束状況↓ メーカー技術指導↓
設置前↓ 設置完了↓
大型土のう撤去
重機足場となる既設盛土を岩盤掘削に伴い撤去していきますが、大型土のう積み箇所2列×5段=938袋の
撤去が完了しました。大型土のうの損傷を確認し再利用できるものを運搬して集積し、他工事で使用する
ものはダンプトラックで搬出します。土のう運搬の際は低所からの墜落災害防止のため荷台へ昇降せずに
自動でフックが外れるオートフックやダンプトラック専用の昇降ステップを使用しました。また、残りの
使用できる土のうは落石防護壁として活用する予定です。
大型どのう積込み小運搬↓ ダンプトラック専用昇降ステップ↓
オートフック吊り込み↓ オートフック(荷卸し後)↓
撤去前↓ 撤去後↓
岩盤掘削②
重機進入路の盛土土砂を移動し、重機足場を確保しながら岩盤掘削を進めて行き、大きくオーバーハング
している岩盤の掘削が完了しました。先に掘削した最も高所で不安定な岩盤と同じく、岩盤が硬質である
ことから蒸気圧破砕薬「ガンサイザー」を使用し、直下にある送電線の鉄塔に破砕岩が落下しないように
土砂(巨石)で土留めを作りながら作業をを進めました。梅雨時期の降雨は盛土の崩壊や落石のリスクも
高くなり、蒸気圧破砕薬の使用も落雷等に注意しなければいけないことから、本格的に梅雨入りする前に
高所で狭い箇所での掘削作業を予定通り完了できたので良かったです。次は既設盛土の土砂・大型土のう
を撤去しながら、さらに下方に岩盤掘削を進めて行きます。
重機進入路の盛土土砂移動↓ 蒸気圧破砕薬 せん孔状況↓
蒸気圧破砕薬「ガンサイザー」 (音声入り注意)↓
掘削前↓ 掘削後↓
岩盤掘削①
重機進入路盛土が完了し、最も高い位置にある不安定な岩盤の掘削を行いました。
岩盤が硬質であることから蒸気圧砕薬(ガンサイザー)を使用し、大型ブレーカーと併用
して掘削しました。重機足場も狭く、落石や地山の変状が懸念されるましたが落石対策を行い、
無事に完了することができました。次は重機進入路の土砂を移動して重機足場を作り直し、
大きくオーバーハングしている箇所に移りますが、直下に送電線の鉄塔があることから、
細心の注意を払い作業に入ります。
蒸気圧砕薬(ガンサイザー) せん孔↓ 装薬↓
着火・破砕↓
大型ブレーカー破砕↓
硬質な岩なので時間がかかります(音声入り注意)↓
掘削前↓ 掘削後↓
重機進入路盛土完了
本日、不安定な岩盤を掘削するための重機足場となる盛土が完了しました。
盛土が崩れにくく強い足場とするために法面には巨石を積みを行い、若干の余裕幅も
とることができました。また、施工中の岩盤の崩落・落石が懸念されましたが、
落石対策を行いながら無事に完了することができました。次は岩盤掘削作業に入ります。
盛土4日目↓ 盛土8日目↓
3次元設計データ↓ 盛土完了・岩盤掘削開始↓
掘削範囲及び岩級区分判定試験
掘削範囲について3次元設計データより測量して現地に明示し確認しまいた。また、掘削する
岩盤の岩級区分を判定するためにシュミットハンマー試験により反撥度を測定して硬岩以上の
岩級であることが分かりました。通常の大型ブレーカーによる破砕だけではなく蒸気圧破砕薬
の使用も必要になると思われます。
岩盤掘削範囲(下流側)↓ 岩盤掘削範囲(上流側)↓
3次元設計データ↓ シュミットハンマー試験(岩級区分判定)↓
簡易落石防護柵の設置完了
施工箇所である右岸側の斜面は上部にも不安定な岩盤が存在することから、
簡易落石防護柵(イージーネット【マルチタイプ(立木式)】)の設置をします。
ネット部材は約30㎏/袋が30袋程あることから不整地運搬車で運搬路の頂上まで
小運搬し、法面リフト(スカイオールキャリー)にて施工箇所付近まで荷揚げしました。
作業員の負担軽減と斜面からの転落のリスクが減り、安全に施工することができました。
右岸斜面状況↓ 落石防護柵部材↓
材料運搬状況↓ 法面リフト荷揚げ状況↓
ネット張り状況↓ 設置完了↓
樹木の伐採完了
3次元起工測量や施工する際に支障となる樹木があることから、伐採を行ないました。
運搬路に一部残雪があったため事前に除雪を行ない、施工箇所は高低差があることから
ウインチ付きのグラップル装着バックホウで引っ張って樹木を集積して搬出しました。
運搬路も狭く急であるため不整地運搬車で小運搬して収集車に積み替えました。
伐倒状況↓ ウインチで引っ張り下ろし集積↓
不整地運搬車で小運搬↓ 収集車に積込み搬出↓
伐採前↓ 伐採完了↓
工事着手
今年は冬期間の降雪量は平年並みでしたが、2月の降雪量が多かったため、現場付近の山の斜面
には残雪がかなりある状況です。工事箇所の天鳥まで車で行けるようになったことから、新たな
落石や斜面の崩壊がないかドローンで空撮して斜面調査を行うとともに、施工範囲に支障となる
樹木があることから伐採木ついても調査しました。しかし、工事用道路沿いの斜面の雪が解けて
落石が発生する危険もあることから、翌週から仮設備の設置を行い本格的に始動する予定です。
落石調査↓
昨年11月の状況 4月11日の状況
伐採木の調査↓